本気でトップセールスを目指し、昇りつめた二人
栃木県内だけで、およそ300人とも言われるHondaの営業スタッフ。
その中で、販売台数1位・2位を譲らない不動の存在が、Honda Cars 栃木東の二人のトップセールス。
性格も営業スタイルも真逆と言っていいほど違う二人が、トップにしか見えない景色を語ります。
喜沢店 友部 健一
茨城県筑西市出身/2012年入社(中途)
法人営業を経て転職。入社1~2年目は思うような成果を上げられなかったものの、3年目にはトップセールスに大躍進。直近で表彰と名のつくものは落としたことがないという破竹の勢いで、2016年の栃木県No.1セールスに昇りつめる。母と妻、3人の子どもの6人暮らし。
細谷店 山本 佳克
栃木県塩谷郡出身/2008年入社(中途)
配属先が新規来店の多い店舗だったこともあり、入社早々に頭角を現す。入社3年目までの新人社員の中で、いきなり販売台数1位を獲得。その後もトップクラスの実績をキープし続け、販売に関する表彰を総なめにしてきた天才肌。旅行好きで、訪れた国は20か国以上。
View 01営業ほど、自由で稼げるやりがいのある仕事はない
友 部
入社した時には、山本さんはもう会社の中でもトップセールスで、営業としては憧れましたね。入社1年目は名前も覚えてもらえなかったけど、自分はずっとロックオンしてましたよ(笑)。
山 本
まあ目標としてね。
友 部
山本さんとは年も近いし、過去の職歴も大差ないと思ったときに、あ、やっぱり負けられないなと。でも、店舗の環境が違うから、同じやり方では勝てない。勝つには、今のお客様を相手にやっていくしかないと切り替えたんです。自分の500~600人のお客様を、数か月かけて必ず全員訪問して、名前と顔を覚えてもらいましたね。
山 本
友部君を意識し始めたのは、入社2~3年目の頃。数字が伸びてきたときだね。「あれ、最近なんでこんなに売ってるんだ?」って。引継ぎでお客様が増えたことは後で知ったけど、やっぱり売るようになったら分かるから。友部君もそうだと思うけど、営業は自分にとっては楽しいし、居心地がいい。遊びが仕事のような、仕事が遊びのような。だから、そんなに仕事仕事!っていう感覚ないでしょ?
友 部
たしかに時間は好きに使えますよね。極端な話、遊んでいようが何しようが、ちゃんと要所を押さえていれば。それに、普通に働いてたら、なかなかこんなに稼げないと思うんですよ。営業は多分、一般的な同世代の年収よりも、やれば倍くらいは稼げてしまう。だから営業を始めたんだと思うんですよ。“やればやっただけ”に近いものがあるから、やりがいがある。
山 本
あと、旅行好きな人には楽しいですよ。
友 部
それ、うちの会社に限ってじゃないですか(笑)。
山 本
販売台数で目標を達成すれば、毎年2~3回は報奨旅行に行けるから。やる気次第でどうにでもできるし。
友 部
グアム、イギリス、次がバンコク。その前に泊まりで品川、新宿のパークハイアットですよね。
山 本
毎月パーティーみたいなね。ただ営業は、基本的に自信のある人が向いていると思う。環境的に競争だから。クルマを買っていただくために、他メーカーや他のHonda販売店の見えないセールスと競争してる。自分はそこで負けないようにしてるだけ。極端なことを言えば、お客様には全部YESと言いたい。まず、「できます」から入っちゃう。ほかのお店がNOでも、山本に言えば全部やってくれるとなったら選んでくれるから。最終的にできなくなってしまうこともあるけど、まずYESと言ってくれたら、お客様も気持ちいいでしょう。
友 部
山本さんは多分、YESって言ってできないこともあると思うんです。でも、山本さんに最後できませんと言われたら、キャラクターでしょうがないなって思うような何かがある気がしますね。
View 02失敗は“ダメなやり方を知る学び”
山 本
多分、してない失敗はないね。堂々と言えたものじゃないけど。クルマの色は間違えるし、(パワースライド)ドアはついてないし、納車日は間違えるし、来店されたお客様に全然気づかなくて怒られたり……。
友 部
(笑)。
山 本
1日に2台を納車したときは、1台目は色が違い、2台目は他のクルマのナンバーをつけて行ってしまう。でも、そこでマイナスにとらえて落ちていくのか。「よっしゃ、やってやろう!」なのか。捉え方ひとつで、同じ人間が上にも下にも行く。1回や2回で凹む人もいるけど、そこがポイントだと思うんだよ。
友 部
山本さんは、すんごいポジティブなんですよ。落ち込んだところを見たことないですもん。
山 本
失敗は、こうするとダメなんだなという学び。“失敗じゃなくて、うまくいかない方法に過ぎなかった”って思ってる。人より成功してきた分、同じくらいの失敗もしてきたから。
友 部
山本さんは初めから売れたから、失敗も多かったと思いますが、自分は売れなかったから、失敗のしようもなかった。ただ、挫折はありましたね。最初はけっこう余裕で売れると思って入社したのに、山本さんにどんどん離されて。追いつきたい一心でしたね。
山 本
我ながらだいぶ会社に貢献してるね(笑)。自分が入社したときもトップセールスはいたけど、誰がではなくて、性格的に売りたいと思った基準がほかの人より高かったのかもしれない。中途入社で売れないとカッコ悪いしね。売るっていう一点に集中してただけで。
友 部
山本さんがすごいのは、楽観的なところや人に愛されるキャラクター。多分、それが売れる秘訣だと思います。
山 本
友部君はちゃんとしてて、クルマの販売だけじゃなくて、自動車保険やメンテナンスまで、全部加入してもらえるのはすごいよね。
友 部
山本さんは何で売れるんですか。
山 本
大したことはしてないけど、やっぱりお客様に選んでもらうには、自分から与えないと。サービスや値段、相手が面倒なことは、全部こちらがやってあげればいいわけだしね。
友 部
喜んでもらえるようにやってるってことですよね。
山 本
そう。お客様の問題を解決してるだけ。自分は旅行好きだから、これはよかった、あれは嫌だったという過去の経験から学んでるかな。アマンプロっていうリゾートホテルがあるんだけど、NOを言わない。急にテラスで食事したいって言っても、なんでもYESと言ってくれるから気持ちがいい。営業は、そういう遊びから得るものもあるね。
View 03張り合う相手がいるから、仕事がおもしろくなる
友 部
去年初めて栃木県No.1になって、他県のトップセールスと話してると、県によっては何年も連続でトップの人もいれば、パッと出て翌年は数字がドカンと落ちる人もいる。追うものが近くにあるから、モチベーションを保てるというか。自分も山本さんに余裕で勝てればいいですけど、同じようなレベルでうまくやっていられるというのは……。
山 本
楽しい。
友 部
そう。きっと追う方が、気持ちを保つところでは楽だと思うんですよ。絶対に勝ちたいとか負けたくない気持ちの方が。山本さんの店舗のスタッフから電話があると、たまに話してるんです。「山本さん相当慌ててますよ」って聞くと、自分の刺激になるんですよね。
山 本
そんなことあったの。周りも周りで楽しんでるね(笑)。
友 部
いやあれ、けっこう楽しんでますよ。だからお互いにいいところなんだと思うんですけど(笑)。
山 本
そういう意味では、やっぱり楽しいね。張り合う存在がいたほうが。
友 部
ライバルが近くにいないと年間100台で満足しちゃうけど、No.1の表彰では、北海道から沖縄までのトップと話せるのが楽しいですよね。
山 本
ある程度まで行くと、トップセールス同士で全国レベルの話もできるしね。あれはやっぱり売らないと見えない世界だと思うし。飛行機で言うとエコノミーじゃなくて、ファーストクラスみたいな。そういう気分は味わえる。まあ、それは狭い範囲の話だけどね。上にはもっと上がいるから。
友 部
この間イギリスに行ったときも、向こうは台数のレベルが違うので、そこはまた刺激になりますよね。上の上に行かないと、そういう人たちとも話す機会もなかなかないし。
山 本
イギリスのバーで、世界一のマティーニも飲めるしね(笑)。
友 部
この会社は、きれいに言うとのびのびやらせてくれる。他社の営業と話をすると、やることが細かくて、山本さんや自分にはできないことがいっぱいありますよ。でもここでは、自分で考えさせてもらっていろいろ仕事を進められて、あまりがんじがらめにならないでできる。
山 本
そう、自分で決められるね。
友 部
ある程度好きに何でもできるし、自分で決められるから、腐らずにできるのはいいところだと思います。
山 本
だから、基本的には自分が描いたライフスタイルが送れる。
友 部
それは絶対に間違いないと思いますね。19時半か20時には帰るから、嫁さんに帰りが遅いと言われたことは、今まで1回もないですよ。
山 本
それで趣味も楽しめる。
友 部
山本さんは、世界で行ったことない国はないって。
山 本
いやあるよ、ある(笑)。世界200か国以上あっても、行きたい国はだいたい決まるからね。この会社に入って行ったのは20数か国。
友 部
自分は家庭があるので、そんなには行けないです。でも、会社の報奨旅行だけでも2回、国内外問わずなら2回以上だから、5年あれば10回以上は行けるわけですよ。
山 本
営業でも海外旅行に行こうと思えば有休取れるし、平日休みのほうが都合がいいね。
友 部
ちゃんとお金をもらって楽しい生活はできる。もう一桁上の給料を稼ごうと思うと、ワークライフバランスが崩れたりもすると思うので、多分ちょうどよくて。自由もあるし、残業はやっても10~15時間くらい。営業の世界ならどれだけ少ないんだっていうところですよね。
山 本
そうそう。自分は“売り続ける”ことがトップセールスだと思ってるけど、友部君は?
友 部
名言ですね。売り続けるのは大変ですから。僕は、“数字におけるものはすべて1番を取ること”です。
山 本
なるほどね。人はおいしいものがないと走らないし、いいことないとやらないでしょう。もちろん、お客様のことは常に大事に考えているけど、自分の楽しみのためにやっている気がするね。
友 部
自分は子どものためです(笑)。多分ですが、最初に前提に来るのはお客様じゃなくて自分。でも、お客様のことは結局自分に返ってくるんですよ。
山 本
そうだね。冗談っぽく聞こえるだろうけど、愛と感動のディーラーだと思ってやってる。そうやって、売り続けられる営業でいたいね。